日本の新興宗教とタイの新興宗教のようなものの
違いについては何度かここで書いて来た。

タイに新興宗教はあるかともし聞かれたら

日本で見られるような組織的な”宗教法人”のようなもの
は「ない」と答える。

幸福の科学は書店にコーナーを設けたり、
大学のブックフェアでブースを構えたり、
タイで勢力を拡大しつつあった

あるのは霊能者や特殊能力を持つ個人を信奉する
小さなグループで、日本の宗教法人のような確固な
グループ結束力はないが、

信仰する人が家や土地を売ったりして全財産を
”教祖様”に捧げてしまい、家族が泣いていたりする
現象は日本と同じように見られる。

霊能者や呪術師の崇拝するものは奇妙なものもある
彼らは村に昔から居て様々な儀式を執り行う
”シャーマン”とは別のものだ

半年ぐらい前にタイのメディアで騒がれた
”ナイス君”は8歳の教祖様。

その後しばらくメディアは静かだったが、

4月に入って何万人もの信者を持つナイス君が

SNSでライブ配信した映像の中でタイ人なら
誰でも知ってる有名司会者”ヌム・カンチャイ氏”と
元有名僧侶でタレントの”ペーリー氏”を口汚く罵り、
タイの各メディアには８歳の教祖様を非難する声が
嵐のように吹き荒れている。

出家後のペーリーさん（左）
と在家中（右）

ペーリーさんは12歳から出家し、30歳で還俗。

”これからは自分に正直に生きる”としてLGBTQ宣言を
してタレント活動等をしている。

ナイス君の横にはいつも母
ライブ配信でペーリー氏を罵倒する

ナイス君は投稿した動画の中でペーリーさん名指しし、

”生まれた性別を肯定できないのは異常” 

”仏道にはあるまじき人間”として仏教者としての
ペーリーさん自身と、性別を踏みにじった。

ペーリー氏とカンチャイ氏（右）

司会者のカンチャイ氏については”あのような司会者は
プロとは言えない。アマチュアの司会者の方が
まだマシだ”などと罵った。

現在、教団のスタッフは100人近くになっているらしい

ナイス君はテレパシー能力があるとされ、

３歳から仏陀からの直接の教えを人々に伝え始めたと
され、自らを”仏陀のAvater”と語っている。

ナイス君を信仰する信者は数万人いると見られ、

信者はナイス君の教えを受けるために有料の”コース”に
申し込む。

番組ではTV電話で質問に答える
ナイス君がメディアに出て来るのはかなり珍しい

これらで得た報酬を管理しているのは父母。

そのため、子供を使った金儲け”児童労働”ではないか？
と疑われている。

また、以前メディアで騒がれた時には
ナイス君の教団の元スタッフがカンチャイ氏司会の
報道番組”ホーンクラセー”に出演し、

「ナイス君の占いは、彼自身がやっているのではなく、

別の有名占い師が出した答えを彼が話しているだけです」
と暴露した。

教団の弁護士がスタジオゲスト

今回の騒ぎでも罵った相手が成人なら、
名誉毀損として法廷に訴える事も出来るが
８歳の子供にはそれも叶わない。

ペーリー氏は教団弁護士を訴える構え

そのため、ペーリー氏はナイス君の教団の弁護士を
名誉毀損で訴える構えだそうだ。

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