タイ国内で一番安価で一般的な薬物は
”ヤーバー(ヒロポン)”だが、その価格は2−3年前から
どんどん下落し、以前一錠１００B程度で売られていた
ものが１０－２０Bで取引されるようになり、

タイ国内に薬物を蔓延させる原因となっていたが

ここに来てその価格はさらに下がり２桁を割って
とうとう７Bにまで下落しているらしい。

特に北部では建設現場で働く人の多くはミャンマー人だし
市場でもミャンマー人労働者は多い

筆者はこの価格下落の始まりはどうも２０２１年の
ミャンマーでの軍事政権復活とつながっているような
気がしてならない。

兵士の恐怖心を取り除く為に薬物を用いる事は
第二次大戦の旧日本軍やベトナム戦争や中東の
戦争での米軍が用いていたのは有名な話だし、

旧満洲国で蔓延したアヘンは当時の国家の財政を支えていた。

番組のトップ画面はNikkeiAsia

考えると軍事政権や軍隊と薬物は実は切っても切れない
関係なのかもしれないが、タイで一番一般的な
薬物である”ヤーバー”やその他の薬物価格がここの所、
歴史的下落を見せているらしく、その影にどうも
”ミャンマー軍事政権”の影響があると言う。

左がミャンマーでの価格、2020年は$2だったが
2023年には20セントに
右端はタイでの価格で2020年は2-3＄
2023年は1-2セント

ミャンマーと地続きのタイはその影響をダイレクトに
受け易く、ミャンマーからの密入国者も増え、

筆者が先日見たタイの報道での密入国者のインタビュー
では、密入国者の多くが”軍事政権になって自分の
ビジネスが立ち行かなくなり、経済的に困ってタイに
逃げようと決心した”と答えていた。

ミャンマーからタイ側への避難者相手に便宜を図って
利益を得ていたタイ側の政府係官のニュース(去年12月)

その中の1人の男性は日本に出稼ぎに行ってお金を貯め、
ミャンマーに帰って雑貨屋を始め、店はそこそこ繁盛して
生活もやっと安定してきた所に軍事クーデターが起こり、
店は開店する事が出来なくなったと話していた。

アイスの価格の変遷、左から生産工場での価格
次がヤンゴンそして東京、シドニーでの末端価格

この番組では”安価になり過ぎたヤーバーに代わって
ミャンマーで新たに蔓延しつつあるのがアイスです”

と紹介しており”ミャンマーではお金や金製品よりも
一般に溢れている”と話し、

価格変遷のグラフには東京での取引価格も登場する。

日本に入って来るものは一旦、タイのバンコク沿岸部に送られ、
そこから日本やオーストラリア、フィリピンなどに輸出される

いずれにせよミャンマーでの薬物生産やその輸出は
軍事政権のコントロール下にあり、

その裏にはそこから利益を得ている中国マフィアの
存在があると言い、番組の最後では現在のミャンマー
での薬物生産ー販売を産んだ父”魏學剛
(Wei Hsueh-kang)”を紹介している。

Wei Hsueh-kangはミャンマーの麻薬生産の父
雲南省生まれの中国人だが国籍はタイ
現在７７−７８歳

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