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🚗黒いオーラと赤いファミリア🚘その1
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以前も書いたが、
ワタシには ”オーラ” だとか ”精霊” だとか
いわゆる”目に見えないもの”を見る能力はない。
だが、何度か、何人か、
その人を見ると頭の中に ”黒い雲” のようなもが
思い浮かんで止まらなくなる事があった。
これはまだワタシが高校を卒業して
最初に就職した地元の印刷会社にいた頃の話、
時代で言うなら1980年代の後半の話。
その会社には当時30ー40人の従業員がいて、
ワタシはデザイン担当の部署だった。
その会社はそんなに人が辞めたり、入ったり
人の出入りの多い会社ではなく、
従業員の定着率もそこそこ高い方だったが、
当時、その会社は業務をじわじわ拡大しつつあったので、
定期的に新しい人が入社してくる機会があった。
とは言っても経験者を募集する事が多かったせいか、
入社してくる人のほとんどは中途採用だった。
隣の部署に入社して来たKTさんは、
おそらくワタシが自分の頭の中に
”黒い雲” を見た最初の人物だと思う。
KTさんは細身で口数の多くない物静かな男性で、
ワタシより3歳年上。
同じ高校で同じ専門学科の出身だった。
その関係もあって
ワタシはKTさんの近くに行く機会があると
アレコレ話しかけたりしてたのだが、
KTさんはいつも軽く微笑みながら
”よく喋る後輩” であるワタシの相手を
してくれていたように思う。
でもその時のワタシの頭の中には
KTさんを見る度に”黒い雲” が思い浮かんでいたのだが、
それが何だったのかは今もわからない。
ある日、ワタシがKTさんの居る部署に行き、
いつものようにワタシはKTさんに話かけた。
あの頃のデザインの現場は
今のようにコンピューターもなく全てが手作業で、
カッターや物差し、製図器などが必需品であった。
ワタシは仕事で高校時代に使っていた製図器セットを
家から持って来て使っていたのだが、
そのうちの一つが壊れてしまって
難儀している事をKTさんに言った。
するとKTさんは
「家に僕の製図器セットがあるからあげるよ。
明日持って来てあげる」と言う。
「え!いいの?」
ワタシはこの壊れた製図器の新品を
上司に買って欲しいと頼んだのだが
結構高い為、購入をシブられていた。
「いいよ。もう、使うこともないだろうし」
KTさんはまたいつものように軽く微笑んだ。
次の日、KTさんは自分の製図器を
セットごと持って来てくれた。
「わー、ありがとう。助かるわー」
同じ高校で同じ学科をワタシより
3年前に卒業したKTさんの製図器セットは
ワタシの持っているものと比べると
型番が少し古いだけで、
まだまだキレイで、
几帳面で真面目なKTさんの性格を表すように、
小さな名前シールが
一つ一つの製図器に丁寧に貼られていた。
まるで入学したての小学生のお道具箱を見るようだ。
小さな物一つ一つに貼られた小さな名前シール。
名前シールを貼る事自体が
”めんどくさい” 事以外の何でもないと、
シール自体をすぐ行方不明にさせてしまう、
大雑把なワタシとは大違いだった。
それから2-3日たったある日の朝、
その真面目で几帳面なKTさんが
いきなり何の連絡もなく出勤して来なくなった。
(その2に続く)
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(黒いオーラを持つ二人目の男の話↓)
黒いオーラとビールの恨み🔥その1
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